お腹の子が双子だとわかった日
妊娠がわかった2回目の診察。
診察台に横になり、超音波で様子を見ていた医師が
「ん?」
この医師は前にも診察中に「あれ?」などの発声をして、なになに⁈と一瞬不安にさせられたことがあった。
またか、やめてくれよ
と不安になった私に、
「ふたつあるなあ」
…
「ふたごちゃんだね」
頭の中が空回りして
「そうなんですか⁈」
というだけで、口が空いたまま診察台から降りた。
診察室に移って、超音波写真を見ながら説明を受けた。
はずだけど、何を話してもらったのか何も覚えてない。
帰ってから自分で調べてみると、ふたつのうちひとりがいなくなることもあるとか。
状況がある程度固まってから、徐々に詳しい説明を受けたんじゃないかと思う。
ふたごだと言われても実感もなく、うれしいようなどう考えたらよいのかわからないような、ふわふわした頭のまま運転してその足で実家に向かう。
妊娠がわかった日も、両親にはその日に報告している。
実母は明るい顔で迎えてくれ、たぶん、どうだった?とかそんな声をかけてくれたんだと思う。
「どうしよう」
今思えば、どうしようも何も笑
実母「なにが?」
私「…ふたごやって」
実母「え‼︎ 」
うれしそうな顔。
私が来た音をききつけて2階から降りて来た実父も、ややほころんだ顔。
実母の様子に、
「ん?」
「どーする⁇」
今度は実母笑
どうもなにも笑
「なんやって⁇」
じれてイライラ気味の実父に、まだ実感のない顔で
実母「ふたごやって」
「え⁇」
瞬時ににやける実父。
その後は、みんなふわふわとした幸せに包まれて、いろんな想像をし始める。
それがだんだんと、不安や心配に変わってくるのは1ヶ月ほどしてから。
純粋に幸せに浸れたのは、ふたごだと知らされたその1日だけだったかも。
その後は調べるほどに、無事に産まれてくれることだけを想うようになる。